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不安症の抗うつ薬

  • 斎藤知之
  • 7 日前
  • 読了時間: 2分

不安症の抗うつ薬

抗うつ薬とは、その名のとおり、うつ病の治療薬のことです。しかし、抗うつ薬は不安症(不安障害)の治療薬としてもよく使われます。たとえば、抗うつ薬は、パニック障害や社交不安障害などの不安症の治療に有効であり、第一選択薬となっています。


ただし、抗うつ薬にはいくつかの種類がありますが、どの種類でも良いわけではありません。不安症に有効ということが分かっている抗うつ薬の種類もあれば、まだよく分からない種類もあります。それであれば、確実に有効だと分かっている抗うつ薬を使った方が良いに決まっています。


不安症に有効だと分かっている抗うつ薬の種類は、SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)かSNRI(serotonin-norepinephrine reuptake inhibitors)になります。これらには、有効性を示すデータが豊富にあります。


SSRIには、セルトラリン、エスシタロプラム、パロキセチンなどがあります。SNRIにはベンラファキシンやデュロキセチンなどがあります。これらは不安症の治療によく使われます。


その他、ミルタザピンやボルチオキセチンという抗うつ薬も不安症に有効だとする研究結果はあるのですが、エビデンス(根拠)が弱く、まだなんとも言えません。そのため、より確実なSSRIかSNRIを使ってみて、副作用などでSSRIやSNRIが使えない場合などにミルタザピンやボルチオキセチンの使用を考える方が適切です。


このように、研究結果やデータをエビデンス(根拠)と呼びます。医学では、エビデンスのしっかりした薬から使うことが一般的です。このように根拠に基づく医療を、英語でEBM(Evidence-Based Medicine)と呼び、今日の医療の一般的な方法になっています。


参考文献:


 
 
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