不安症とうつ病は近い存在です。そして、不安症は、うつ病と重なる、合併することがあります。
たとえば、パニック障害の症状である、急な動悸、呼吸困難、冷や汗などや、全般性不安症のような、様々なことが心配になる症状が、うつ病の症状と重なることがあります。
うつ病の症状は、一日中気力がわかず、動けなくなる、頭の回転も遅くなるなど、電池切れ、エネルギー切れのようなものです。
うつ病と不安症が同時に起こる場合もありますが、先に不安症となり、その後にうつ病になる人が多いです。
うつ病と不安症が合併する人は、うつ病だけの人よりも、治療に時間がかかります。精神医学的に言えば、不安症の合併は予後不良因子となります。
つまり、不安症の有無は、精神医療においては重要な意味を持つのです。
不安症よりもうつ病の方が有名なので、不安症を軽く見てしまう人もいらっしゃるかもしれません。しかし、医学的に考えれば、不安症は決して軽く見て良いものではありません。
不安症は長引くことが多く、人生の様々なところに問題を起こします。不安症の治療を避けてしまう人は多いですが、しっかり治療した方が、自分の人生にとって有意義だと思います。