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  • 斎藤知之

これは甘えでしょうか


甘えと人間関係

診察をしていると、患者さんが症状を説明した後に、「これは甘えでしょうか?」と聞いてくることがあります。


辞書的な意味では、甘えとは、人の好意をあてにすることのようです。誰かに甘える、とは、他人に好意を期待するという意味合いです。


私は最初、「自分の症状が甘えとはどういう意味だろうか?」と疑問に思っていました。ただ、あまりに多くの患者さんから聞かれるので、どうやら「甘え」とは何やら悪いことという意味合いで使われていると気づきました。


当然ですが、症状に良いも悪いもありません。良し悪しを考えるより、どう治療するか考えた方が、建設的です。


おそらくですが、「甘えるな」「そんなの甘えだ」などと批判する人がいるから、甘えは悪いことだと誤解している人が多いのではと想像しました。


繰り返しますが、甘えとは他人に好意を期待することです。たしかに、「甘えるな」「そんなの甘えだ」などと言っている人からは、好意を期待できません。その人に甘えることはできないでしょう。


しかし、人間関係は甘えがなければ成立しません。仲が良くなれば、無意識のうちに相手に好意を期待するものです。


むしろ、常に誰にも甘えられない状態は、精神的に良くありません。その状態は、つまり、仲の良い人がいないことを意味します。それでは、孤独感や不安感が強まります。


誰かに甘えて良いか悪いかは、あくまでその人との関係性によるものです。仲が良い人には甘えるのが当たり前です。甘えても良い人間関係をたくさん作ると、精神的に強くなるはずです。


甘えは悪いことではありません。少なくとも、症状と甘えは何の関係もありませんから、誤解しないようにしてください。

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